読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

365日のストーリー

忘れたくないあの1ページ

「未来へ送る手紙 ④」

この日のために準備してきた。 この日の為に頑張ってきた。 そんな1日の始まりは、 普段とはまるで違うように感じる。 同じ朝、同じ時間が 流れているはずなのに、 人生の中の大事な1ページに 刻まれるような感覚で、 ジッとなんてしていられない。 毎日がこ…

「未来へ送る手紙 ③」

冬の昼下がり。 こんなにも晴れ渡っているのに 空気は冷たい。 春の訪れを待ち遠しく思いながら、 慣れしたんだ街を歩く。 翔くんと出会って、私の世界には 色が増えた。 偶然住んでいる場所が 近かったということもあり、 カフェや公園、場所を問わず 顔を…

「未来へ送る手紙 ②」

一大イベントが控えている。 楽しみでもあり、不安でもある。 最初から結果なんて出るわけがない。 とりあえず経験することが大事。 そんなことは分かってる。 言われなくても分かってる。 でも、やってみなくちゃ 分からない。 街の中で奏でていた音楽を、 …

「未来へ送る手紙」

「よし、行こう!」 ギターを背負って、冬の街へと飛び出す。 夜になると、凍えるほどの寒さが一段と増す。 「うぅ…寒いなぁ」 首に巻いたピンク色のマフラーに 限界まで顔をうずめながら、 吹きつける冷たい風をしのぐ。 「この寒さなんか、私の歌で 吹き飛…

「雪が降る街に」

どうして雪は、 寒い冬に降るんだろう。 どうして雪は、 こんなにも寂しい気持ちに させるんだろう。 「ほーら、拓矢! なにサボってんの! そんなんじゃいつまで経っても 終わんないよ!」 「さ、サボってないよ!」 「…にしても、すごい雪だな」 「もう手…

「過去があるから今がある」

「じゃあ…発表してくれる人! 手ぇあげろー!」 ・・・・・。 突然始まった、いや 始めなくてはいけなくなった 謎の授業。 こうして前に立って見る景色は、 昔見ていたものとは まるで違ったものだった。 1人1人の顔が良く見える。 ただ、どこを見てればいいの…

「今があるから過去がある」

寝ているときに見る夢は 不思議なもので。 会ったことがない人や、 見たこともない景色が 映し出される。 内容も非現実で、ヘンテコなものが 多かったりする。 見た夢を興奮気味に話されても、 リアクションに困るものだ。 ただ、ヘンテコなものばかりでもな…

「夢は夢へと繋がる」

憧れの人。 テレビの中の人、 多くの人に愛されている人、 感動を与えてくれる人。 それぞれ違うかもしれないけど、 共通するのは、みんなキラキラ輝いてる。 だからきっと、憧れるんだ。 あの人みたいになりたいって。 私は、音楽が好きだ。 通学の電車の中…

「待っている場所へ」

『お邪魔しまーす!』 「はいはい、いらっしゃい! 外寒かったでしょ。 ほら、こたつあったまってるから、 早く中に入りなさい」 じいちゃんの還暦祝い。 父ちゃんと母ちゃんとの3人で、 久しぶりに田舎へ遊びにきた。 正月はドタバタしたせいで 顔を出せな…

「この季節を過ぎれば」

「また明日ねー!」 「うん!また明日!」 友だちと別れのあいさつを合図に、 孤独との闘いが始まる。 テスト勉強も、受験勉強も、 就職活動だって、 頑張らなきゃいけないときは いつだって1人だ。 コンビニやスーパーには、 ”合格祈願”のお菓子やグッズが…

「変わらないこの今を」

” もうすぐ着くよ! 悠貴は?どこにいる? ” ” 俺はもう着いてる! 改札前で待ってるから! ” 遠距離恋愛を始めて、 もうすぐ一年になる。 今日は、月に一度だけ 大事な人に会える日。 改札前には、柱にもたれかかりながら 1人で携帯をいじっている男女が チ…

「越えられなくても超えていけ」

「ミナ、コウキ!おもちゃ片づけろー 飯にすんぞー」 『はぁーーい』 「よーし、良い返事だ。 コウキはご飯運ぶのも手伝えよー」 「ミナも、ミナもやる!」 「お!偉いな! じゃあ…みんなのお茶碗 運んでもらおうかな」 「ぼく、ママよんでくる!」 「待て待…

「いつかその日が来るまでに」

「ねぇ!広樹(ヒロキ)、ちゃんと聞いてる?」 「あぁ、聞いてる聞いてる。 おい柚月(ユズキ)、ちょっと飲み過ぎだぞ。 明日仕事じゃねーのか?」 「明日は休みだから、 ぜーんぜんへーきなの」 「はいはい、そーですか。 そりゃ失礼しました」 週の始め、月曜日の…

「もしもこの世界が夢だったなら」

「私、マサくんのことが好き…です」 「え…」 告白、された。 思ってもみなかった、突然のことだった。 高校3年生に上がり、2年連続で 同じクラスになったときは、 走り出したくなるくらいに嬉しかった。 クラスでは普通に話すし、 当然連絡先も知っていたか…

「ただ、あなただけに」

- 住んでいる場所も、名前も知らない 大切なあなたへ。 私の言葉は、届いていますか? - 私は小さい頃から絵を描くのが好きで、 小学生のときも、中学生のときも、 時間があれば絵を描いていた。 高校生も半ばになった頃、絵を描くことを 仕事にしたいと思う…

「迷った先にも出口あり」

うまくいかないことが重なったとき。 ピンチ。究極のピンチ。 後ろには炎、目の前は崖。 さぁ、どうする。 「ピンチはチャンス」 言い出した人すごいよ、尊敬だよ。 前向きどころか上向いちゃってるよ。 これのどこがチャンスなんだ。 ピンチはピンチだ。 俺…

「受け継がれていくもの」

人の記憶はもろくて、昔の記憶は 新しいものに、どんどん上書きされていく。 あのとき感じたことも、見た風景も、 歳を重ねるごとに曖昧になっていく。 引き出しの奥の方にしまわれた記憶は、 なかなか取り出すことができない。 でも、写真という存在が 僕た…

「飛び立つ、この道から」

「おーい、もうみんな書いたかー? 書けたら前に回せよー」 卒業後の進路調査。 正直、進路のことはそんなに深く考えていなかった。 高校生活はあっという間で、気がつけば 大きな分かれ道に立たされていた。 お昼休み。食堂ではいつものメンバーで 女子会が…

「止まらぬ針に想いをのせて」

「い、いらっしゃいませー! 2名様ですね!ご案内致します!」 休日の夕方。 店内は、カップルや若者で賑わっている。 「あれ、大澤さん。今日なんか良い事あった? いつにも増して気合いが入っているような…」 「な、何にもありません!」 何にもないどころ…

「いくつになっても」

長く降り続いていた雨も止んで、 雲ひとつない真っ青な空が広がっている。 家のベランダから空を見上げながら、 ちょうど2年前の今日の日のことを 思い出していた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ふぁー、ねむ…」 「はっはっはっ!翔、なんだよその…

「言葉は誰のもの」

寒い。。。 毎年のように言っている。 絶対に今年が一番寒いと思う。 日も暮れてきて、 あたりはオレンジ色に照らされている。 近所にある公園。 小さい頃から野球をしたり、鬼ごっこをしたり たくさんお世話になった公園。 たくさんあった遊具も、 今は古び…

「ほんの少しの言葉でも」

変わらない...。 古びた商店街は、近くに出来た ショッピングモールのせいで なんだか小さく見える。 それでも負けてたまるかとばかりに、 今日もお店たちは活気づいている。 商店街のど真ん中を歩いていると、 みんなからの声が飛ぶ。 「あら、おはよう翔ち…

『本当の自分、偽りの自分』

今回の心理学テーマは『自己呈示』 これは一体どんなものなのか。 はたまた、どんな使い道があるのか。 とある女性を覗いてみよう。 ***************** ”ピロン♪” スマホ画面に表示された メッセージを確認する。 さつき: 「今日は18時集…

「もう失敗なんてしたくない」

何かで失敗したとき。 「失敗なんて誰にだってあるんだから、 そんなに落ち込むなって」 「失敗は成功のもと! 失敗してなんぼでしょ!」 とかもろもろ、 声をかけてくれることがある。 そっか!失敗しても良いんだ! ふんふーん♪ 気にせず切り替えよーっと♪…

『一度OKしたら最後...』

今回の心理学テーマは『フット・イン・ザ・ドア・テクニック』 これは一体どんなものなのか。はたまた、どんな使い道があるのか。 とあるカップルを覗いてみよう。 ******************* 付き合って2ヶ月が経った頃。この時期はカップル…

「人の人生ばっかり輝いて見える」

去年のこと。 なんか面白い映画ないかなー って探してたら、気になるのがあって。 原作読んでたから内容は知ってたけど、 頭の中のものが現実になったら どんな感じなのか、 気になって確かめに行った。 朝井リョウさんの『何者』 就活に苦悩しながら自分と…

「始まりの予感」

オレンジ色のライトに包まれ、 クラシックが流れる店内。 もうホットが染みる季節になったなぁ なんて思いながら、 コーヒーからあがる湯気を眺める。 一大イベントだった「大晦日」は、 年越しを経て徐々に特別感が 薄れていって、気がつけば 変わらない日…

「2017」

「3、2、1... 明けましておめでとうございまーす!」 テレビから聞こえてくる明るい声。 飛び散る金銀の紙テープ。 テロップで大きく「2017」の文字。 一年でこんなに秒まで気にして 時計を見るのは、 年越しの時くらいじゃないか。 あ、あとカップラ…