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365日のストーリー

忘れたくないあの1ページ

「夢は夢へと繋がる」

 

 

 

 

 

憧れの人。

 

 

 

テレビの中の人、

多くの人に愛されている人、

感動を与えてくれる人。

 

 

それぞれ違うかもしれないけど、

共通するのは、みんなキラキラ輝いてる。

 

だからきっと、憧れるんだ。

あの人みたいになりたいって。

 

 

私は、音楽が好きだ。

通学の電車の中でも、家にいるときでも、

寝る前でも、いつだって音楽は

欠かせない存在。

 

 

休日の都内の駅は、人で溢れている。

その度に、こんな数の

人がいるんだなぁ、と思う。

 

 

「おっと、いけない」

 

 

ボヤボヤしてると

人混みに流されてしまう。

 

 

改札をくぐって地上に出ると、

大きな交差点と数々のビルが

一気に目の前に広がる。

 

 

何度足を運んでいても、この光景には

ワクワクが止まらない。

 

ゴソゴソとカバンの中から

取り出して、イヤホンを耳につける。

 

人の話し声、車の音、すべての音が

一瞬にしてシャットダウンされて、

大好きな音だけが聴こえてくる。

 

 

「よし、行こう」

 

 

目的地への行き方はもう、

昨日のうちに調べてある。

 

 

小さなライブハウス。

今日は、私の大好きな

アーティストのライブ。

 

いま耳に流れているのも、

そのアーティストの曲。

 

 

毎日聴いてる大好きな歌。

それを生で聴けると思うと、

この興奮はなかなか抑えられない。

 

 

このアーティストのライブに行くのは

今日で2回目だ。

 

 

1回目は、今からちょうど

一年前くらい。

路上で歌っていた彼女の

素敵な歌声に惹かれて、

その場でチケットを買った。

 

 

ステージに立って歌っていた

彼女の歌声に、感動しっぱなしだった。

 

 

人に伝えなくちゃいけなくても、

『感動』以外に表現できない。

本当に素晴らしいものには、

うまく言葉が出てこない。

 

いや、とって付けたような

ありきたりな言葉を使いたくない。

 

一口食べてすぐに『美味しい〜』

と連呼するような、

わざとらしい食レポのように。

 

そんなものじゃ

伝えられないんだ、あの感動は。

あの場にいた人にしか

きっと、分からない。

 

 

 

でも、その感動を伝えられるような

表現力が欲しい…。

 

 

 

 

財布の中に大事にしまってある

チケットを確認する。

 

 

「時間まで、あと少し」

 

ソワソワが止まらない。

 

チケットに記されいる整理番号は、

前回よりもはるかに

大きな数字になっていた。

 

 

一回目のライブのときは

人と人の間隔がとても広く、

好き勝手に歩き回れるほど

ガラガラだった。

 

 

それもそうだ。

地元の小さなCDショップにも

置かれていなかったし、

もちろんテレビにも出ていない。

 

 

 

「まもなく開場致しまーす。

お手元にチケットをご用意くださーい」

 

 

流れるように会場に入り、

できる限り近くで見れる

場所を目指す。

 

 

 

「人が…たくさん」

 

 

 

ライブハウスは、

たくさんの若い男女で

埋め尽くされていた。

 

 

証明がおちて辺りは真っ暗になり、

ステージにスポットライトがあたる。

 

 

 

開場の熱気は一気に上昇する。

 

 

 

 

『みなさーん!こんばんはー!

今日は私と一緒に

楽しい時間を過ごしましょー!』

 

 

いつもイヤホンで聴いている歌を、

いつも声しか聴けない憧れの人が、

目の前で歌っている。

 

 

失恋したときに泣きながら聴いた曲。

うまくいかないときに励ましてくれた曲。

毎朝聴いている元気が出る曲。

 

私の側にいつも居てくれた

数々の曲たち。

 

 

終わってほしくない。

いつまでも、おんなじ曲を

何回歌ってもいいから、

この時間が続いてほしかった。

 

 

 

『幸せな時間というのは

あっという間に過ぎるもので…

次で、最後の曲になります!』

 

 

会場からは、残念がる声が

ところどころであがっている。

 

 

 

『私の1回目のライブに来てくれた人なら

分かると思うんだけど、

本当に人が少なくて、ライブとしては

ギリギリくらいの数だったの。

 

それでも来てくれた人の為に

一生懸命歌ったんだけど…

心のどこかでは、やっぱりちょっと

寂しくて…。

 

それが今日、2回目のライブで

これだけの人に来てもらえて、

本当に嬉しいです。

 

1年間、諦めないで今日まで

頑張ってきて良かった。

私はこれからも、若い同世代のみんなに

夢を与えていきます。

 

頑張れ、なんて言わないよ。

一緒に頑張って行こう!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

忘れられないあの日から

月日は流れ、

テレビの中からは

素敵な歌声が響き渡る。

 

目の前で見た、私の憧れの

大好きなあの人が、

テレビの中にいる。

 

 

 

 

私もこれからは、憧れてた側から、

人に憧れられるような存在に。

 

 

私も輝けるかな、あの人みたいに。

 

届くかな、掴めるかな、

あの遠い遠い未来を。

 

 

イヤホンからは、

今日も素敵な歌声が聴こえてくる。

 

 

 

 

諦めない。

何があっても、絶対に。

 

 

 

 

広がった空に、そっと手を伸ばした。

 

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写真提供 [Twitter ‪@rari_shame ‬]